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2016年は激動の年だった。まずは嬉しいこと。4作品が全国を駆け巡った。3月、4月『からゆきさん』九演連42回。5月〜7月『ブンナよ、木からおりてこい』東北・関越・四国33回。9月、10月『朝食まで居たら?』静岡県22回。9月〜12月『横濱短篇ホテル』近畿・北海道・長野県・首都圏・横浜54回。計151回。全公演を支えて下さった全国の演劇鑑賞団体の皆さまに感謝。

公演には常にドラマがある。嬉しいこと、感動したことが一杯の旅だったが、『からゆきさん』九演連の旅は厳しい激動の旅だった。言うまでもなく4月14日、16日の熊本地震。熊本を中心に九州の人たちに多大な被害をもたらした。しかし九演連の皆さまの強い思いと連帯で、中止することなく完走することができた。改めてお礼を申し上げるととともに一日も早い復興を願う。

自主公演では新作2本。青年座初登場、古川貴義作『俺の酒が呑めない』磯村純演出。青年座3作目の鈴木聡作『フォーカード』宮田慶子演出。そして47年前青年座劇場杮落とし公演、矢代静一作『天一坊十六番』を本公演初演出の金澤菜乃英で上演。海外戯曲2作。G・ストーン&R・クーニー作、たかしまちせこ翻訳台本、伊藤大演出『朝食まで居たら?』とJ・R・ベイツ作、高橋知伽江翻訳、須藤黄英演出『砂漠のクリスマス』。そしてスタジオ公演2作。『人類最初のキス』『シンクロナイズド・ウォーキング』。休む間もなく走り続けた1年だった。青年座通信1991年4月1日号から始まった「新説日本昔話」は2016年秋号 其ノ七拾九で幕を閉じた。四半世紀の長きにわたり通信の顔としてユニークな昔話を紡ぎ続けてくれた作者・早川さよ子さんに感謝。

明けて2017年はマキノノゾミ待望の新作『パパ・アントーシャ』で始まる。演出は勿論宮田慶子。チェーホフの評伝劇に臨む。青年座劇場では活きの良い3人の劇作家の新作が続く。古川健作、黒岩亮演出『旗を高く掲げよ』。太田善也作、黒岩亮演出『真っ赤なUFO』。中津留章仁作、伊藤大演出『生け贄と幸福』。今の時代に切り込む芝居になる。また『朝食まで居たら?』、『見よ、飛行機の高く飛べるを』、『からゆきさん』、『ブンナよ、木からおりてこい』の4作品が全国に出る。そして夏「新劇交流プロジェクト」として文学座、文化座、民藝、青年座、東演の5劇団が合同して大作に臨む。三好十郎作、鵜山仁演出『その人を知らず』。時代が作品を呼んでいるのだ。

63年目を迎えたぼくたちは10人の創立メンバーが青年座をつくった思いを継承できているのか。今改めて考えなければならない。「時代と向き合う」青年座の理念が空疎なものにならないよう真摯に演劇と向きあわなければ未来はない。

さて、みなさま。本年もよろしくお願い申し上げます。

森正敏(2017.1.1)


青年座の活動


劇団青年座は「創作劇の上演」を趣意書に謳い、1954年5月1日森塚敏、東恵美子、成瀬昌彦、天野創治郎、土方弘、中台祥浩、初井言榮、山岡久乃、氏家慎子、関弘子、ら十人の俳優によって結成いたしました。同年12月17日俳優座劇場で椎名麟三作『第三の証言』をもって第一回公演をおこない、以後、矢代静一(『写楽考』他)、八木柊一郎(『国境のある家』他)、宮本研(『からゆきさん』他)、水上勉(『ブンナよ、木からおりてこい』他)ら多くの劇作家と共に数々の創作劇を上演してきました。

1994年の創立四拾周年以降はマキノノゾミ(『横濱短篇ホテル』他)、永井愛(『見よ、飛行機の高く飛べるを』他)、最近では鈴木聡(『フォーカード』他)、早船聡(『鑪-たたら』)、野木萌葱(『外交官』他)、古川貴義(『俺の酒が呑めない』他)ら現代演劇を代表する劇作家の新作を次々と上演し、高い評価を受けております。 また2012年からはポリー・ステナム作『THAT FACE〜その顔』、マイク・バートレット作『LOVE, LOVE, LOVE』、ジョエル・ポムラ作『世界へ』、ジョン・ロビン・ベイツ作『砂漠のクリスマス』など、海外現代戯曲にも積極的に取り組んでいます。
そして東京での本公演の他、全国の市民劇場・演劇鑑賞会でのロングラン公演、劇団員の自主企画によるスタジオ公演、特別公演など多彩な演劇活動を展開しています。

一方、現代演劇の未来を担う俳優・スタッフの養成を目的とし、1975年より青年座研究所(2年制)をスタートさせて多くの人材を輩出してきました。2017年も本科・実習科で約70名の研究生が学びます。

さらに青年座映画放送株式会社を通し、所属俳優・スタッフの舞台・テレビ・ラジオ・映画出演、演出のマネージメントを行い、日本の現代演劇・エンターテイメントの発展に大きく貢献しています。


受賞

1968年 第23回芸術祭奨励賞(『禿の女歌手』の成果に対して)
1968年 第3回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1971年 第6回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1973年 第28回芸術祭優秀賞(『三文オペラ』の成果に対して)
1979年 東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1979年 厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1980年 第34回芸術祭優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1981年 第35回芸術祭大賞(「五人の作家による連続公演の企画・制作」)
1985年 東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
    厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1987年 第42回芸術祭芸術祭賞(『国境のある家」の成果に対して)
1990年 平成元年度芸術祭芸術祭賞(『盟三五大切」の成果に対して)
1997年 第31回紀伊國屋演劇賞団体賞
    (『三文オペラ』『審判』『ベクター』などの舞台成果に対して)
1998年 第5回読売演劇賞優秀作品賞(『フユヒコ』の舞台成果に対して)
1998年 第52回芸術祭大賞(『見よ、飛行機の高く飛べるを』の成果に対して)

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