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2019年は劇団青年座創立65周年にあたる年だった。1954年、成瀬昌彦、天野創治郎、土方弘、森塚敏、中台祥浩、初井言榮、山岡久乃、氏家慎子、東恵美子、関弘子の十人の若者が「創作劇の上演」を謳い青年座を立ち上げた。どこまで持つのかと揶揄されながら65年間、芝居をつくり続けてきた。青年座が代々木八幡の地に来てから50年がたった。代々木八幡駅の駅舎もリニューアルされ、街の景観も大きく変わったが、演劇を取り巻く環境の変化はもっと大きく、しかも居心地が悪い。表現の自由は憲法で保障されている。これからも「直接私達の皮膚に触れる空気を私達の舞台にしたい」という創立メンバーの思いを忘れず芝居をつくり続けたい。
2019年は4本の本公演を行った。海外現代戯曲シリーズ第5弾『SWEATスウェット』(作=リン・ノッテージ、翻訳=小田島恒志・小田島則子 演出=伊藤大)。青年座として継承して行くべき作品の再演として『明日―九四五年八月八日・長崎―』(原作=井上光晴、脚色=小松幹生、演出=鈴木完一郎、補綴=山本龍二)。新しい劇作家・中村ノブアキ氏との出会い『DNA』(演出=宮田慶子)。青年座での実績がある作家・松田正隆氏の新作『東京ストーリー』(演出=金澤菜乃英)。それぞれが刺激的な現場だった。また2作品が全国を旅した。『横濱短篇ホテル』は全国演鑑連中国ブロックと関越ブロックに、『からゆきさん』は静岡県ブロックと神奈川ブロックの皆さんに迎えていただいた。作り上げた芝居が長く全国で上演できることは大きな喜びだ。
そして2020年。今年も意欲的に芝居作りに取り組んでいく。年明け1月は2015年紀伊國屋ホール以来5年ぶりの東京公演を本多劇場で行う。昨年の旅を経て練り上げた舞台をご覧いただきたい。この後は長野県ブロック、伊那、松本で最後を飾る。2月、シアターグリーン『ありがとサンキュー!』。「小松台東」の松本哲也氏の新作書き下ろしを磯村純が演出する。一昨年亡くなった実祖母いしさんの実話をもとに、クリスチャンとして大正、昭和、平成を生き抜いた「女の一生」を描く。6月はシアタートラムにて野木萌葱氏の新作書き下ろし。今まで『崩れゆくセールスマン』『外交官』と野木作品を演出してきた黒岩亮が演出にあたる。今回は旧ソ連で宇宙開発にかける科学者たちの矜持と苦悩を描く。そして9月シアターウエストで宮本研作、齊藤理恵子演出『ブルーストッキングの女たち』。「青鞜」に参加した新しい女性たちの生き方がまぶしい。また新劇交流プロジェクト第2弾として文学座、俳優座、民藝、東演、青年劇場、そして青年座が合同して宮本研さんの『美しきものの伝説』を上演する。時代が宮本研を求めているのか。
今年も自由闊達に演劇活動に邁進したい。本年もよろしくお願い申し上げます。

森正敏(2020.1.1)


青年座の活動


劇団青年座は「創作劇の上演」を趣意書に謳い、1954年5月1日森塚敏、東恵美子、成瀬昌彦、天野創治郎、土方弘、中台祥浩、初井言榮、山岡久乃、氏家慎子、関弘子、ら十人の俳優によって結成いたしました。同年12月17日俳優座劇場で椎名麟三作『第三の証言』をもって第一回公演をおこない、以後、矢代静一(『写楽考』他)、八木柊一郎(『国境のある家』他)、宮本研(『からゆきさん』他)、水上勉(『ブンナよ、木からおりてこい』他)ら多くの劇作家と共に数々の創作劇を上演してきました。

1994年の創立四拾周年以降はマキノノゾミ(『わが兄の弟ー贋作アントン・チェーホフ傳』他)、永井愛(『パートタイマー・秋子』他)、最近では太田善也(『真っ赤なUFO』他)、古川健(『旗を高く掲げよ』)、鈴木聡(『フォーカード』他)、古川貴義(『俺の酒が呑めない』)、野木萌葱(『外交官』他)ら現代演劇を代表する劇作家の新作を次々と上演し、高い評価を受けております。 また2012年からはポリー・ステナム作『THAT FACE〜その顔』、マイク・バートレット作『LOVE, LOVE, LOVE』、ジョエル・ポムラ作『世界へ』、ジョン・ロビン・ベイツ作『砂漠のクリスマス』など、海外現代戯曲にも積極的に取り組んでいます。
そして東京での本公演の他、全国の市民劇場・演劇鑑賞会でのロングラン公演、劇団員の自主企画によるスタジオ公演、特別公演など多彩な演劇活動を展開しています。

一方、現代演劇の未来を担う俳優・スタッフの養成を目的とし、1975年より青年座研究所(2年制)をスタートさせて多くの人材を輩出してきました。今年もも本科・実習科で多くの研究生が学びます。

さらに青年座映画放送株式会社を通し、所属俳優・スタッフの舞台・テレビ・ラジオ・映画出演、演出のマネージメントを行い、日本の現代演劇・エンターテイメントの発展に大きく貢献しています。


受賞

1968年 第23回芸術祭奨励賞(『禿の女歌手』の成果に対して)
1968年 第3回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1971年 第6回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1973年 第28回芸術祭優秀賞(『三文オペラ』の成果に対して)
1979年 東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1979年 厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1980年 第34回芸術祭優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1981年 第35回芸術祭大賞(「五人の作家による連続公演の企画・制作」)
1985年 東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
    厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1987年 第42回芸術祭芸術祭賞(『国境のある家」の成果に対して)
1990年 平成元年度芸術祭芸術祭賞(『盟三五大切」の成果に対して)
1997年 第31回紀伊國屋演劇賞団体賞
    (『三文オペラ』『審判』『ベクター』などの舞台成果に対して)
1998年 第5回読売演劇賞優秀作品賞(『フユヒコ』の舞台成果に対して)
1998年 第52回芸術祭大賞(『見よ、飛行機の高く飛べるを』の成果に対して)

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