ごあいさつ

 矢のごとし光陰に向って二〇〇八年も「怒涛の青年座」でございます。
 次世代を担う演劇人育成公演『みごとな女』『わが家』十二月十九日に打ち上げ、二〇〇七年を送る劇団行事が次々と行われる中二〇〇八年一月二五日初日の芸術団体人材育成支援事業『帰り花』の現場が入ってくる。青年座劇場は本当に休む間もないフル回転です。劇団の拠点、劇場を持つがための多彩な事業展開といえます。
 私達が代々木八幡にやってきてすでに三十九年、今年創立五十四年になるわけですが、劇団に参集した座員それぞれの年代によって時間の意味は異なり、到底一つに収斂することは出来ません。劇団とは本来そうしたものであり世代間に立ちはだかる問題は様々に伏在する。八十代から二十代の人間が演劇創造の場に立っている。そのメンバーは二〇〇人です。これは大変なエネルギーで、それが刻々と流れる現実の中で揺れ動いているのです。
 「流れる現実」とは?。
 かつて私は千田是也先生を囲んだ打合わせの場で「劇団は二十代から六十代までの役者がそろって初めて劇団と言える」とおっしゃるのを印象深く聞いて、そういうもんなんだ、といたく感動しました。つまり青年座の現実は千田先生の自説をとうに通り越した世代によって今、在り、今日の現代演劇を取りまく状況にいや応なく巻き込まれているのです。しかし、決して翻弄されてはなりません。
 暮れに上演された森本薫の二作品と、新年早々に幕が開く『帰り花』は文化庁の人材育成事業を(社)日本劇団協議会が主催し、それを実際に制作したのが青年座です。これは本来の劇団本公演、スタジオ公演に加わって来たものです。さて今年の本公演は、昨年『蛇』で颯爽と登場した赤堀雅秋氏の新作で始まります。そのあと日本の裁判員制度実施が迫るときに『評決』の再々演、地方公演が始まります。そして十一月。「EXIT×4」で演劇界に新世代旋風を巻き起こした劇作家の一人マキノノゾミ氏が次々と青年座に書き下ろした三作品の連続公演を致します。ここには創作劇の青年座が歩む道標が示されるはずです。なまなかな決意ではのりきれない大事です。更に劇団自助努力の最たる事業青年座研究所とワークショップ。そして大きな柱である青年座映画放送事業は一年中たえ間なく活動しています。こうみると、もう怒涛としか言いようがありません、が何とかの遠吠えにならないよう、心して活動していかなければなりません。どうか今年もよろしくお願い申し上げます。

水谷内助義

歴史

1954年12月17日俳優座劇場で旗揚げ公演
私ども青年座は、1954年5月、当時、俳優座の準劇団員であった若者が、俳優座から別れて作った劇団です。『創作劇の青年座』として創立以来数々の書き下ろし作品を上演しつづけてきました。翻訳劇全盛期の創立当時は、創作劇上演自体無謀な行動であり、劇団存続を危ぶまれました。しかし、10人の創立メンバーの意志は強く、創作劇の上演を重ねて確実に次代に受け継いできました。劇作家も椎名麟三以来時代と共に範囲を広げ、マキノノゾミ、鐘下辰男、坂手洋二、永井愛、松田正隆という新世代の劇作家との舞台を次々と発表しています。青年座の「創作劇上演」は日本の演劇状況をより活発に、新鮮に塗り替えていると自負しています。今後も創作劇の上演はもとより、近代古典の現代的視点による上演、海外作品の上演、またミュージカル作品の上演も行っていきます。私たちの姿勢が認められ、特別推進事業の助成団体として、文化庁から2度も選ばれました事は、ますます我々に勇気を与え、今後の活発な公演に油をさした結果となりました。

受賞

1968年
第23回芸術祭奨励賞(『禿の女歌手』の成果に対して)
1968年
第3回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1971年
第6回紀伊國屋演劇賞団体賞(年間の公演活動に対して)
1973年
第28回芸術祭優秀賞(『三文オペラ』の成果に対して)
1979年
東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1979年
厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1980年
第34回芸術祭優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1981年
第35回芸術祭大賞(「五人の作家による連続公演の企画・制作」)
1985年
東京都優秀児童演劇選定優秀賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
厚生省児童福祉文化賞(『ブンナよ、木からおりてこい』)
1987年
第42回芸術祭芸術祭賞(『国境のある家」の成果に対して)
1990年
平成元年度芸術祭芸術祭賞(『盟三五大切」の成果に対して)
1997年
第31回紀伊國屋演劇賞団体賞
(『三文オペラ』『審判』『ベクター』などの舞台成果に対して)
1998年
第5回読売演劇賞優秀作品賞(『フユヒコ』の舞台成果に対して)
1998年
第52回芸術祭大賞(『見よ、飛行機の高く飛べるを』の成果に対して)